フィアット500&アバルト500 全車が対象
15万キロ越えたら皆該当


走行中にタイヤの回転周期にラップし、異音がする。。
ご相談事項を基に試運転を行うと、確かに納得。ゴロゴロ・ウォンウォンと唸るような異音がとても気になります。

注意深く音の発生個所を探りながら試運転を重ねます。
エンジン回転には伴わず、ギヤ変速による減速比の変化にもラップはしない。
車速に応じて音の周期が変化しています。

後ろからの音・前からの音。そして、ステアリングを左・右と当てると音が大きくなったり、小さくなったり。
とてもリニアに変化を現していました。

こういう場合、ハブベアリングに疑いを掛けます。
難しいのはフロント?リヤ?左?右?
どこから発するのか?ですね。

今回は、左側に原因が集中していました。
左のフロントハブ・リヤハブ。それぞれのベアリングが不具合を発しています。

該当箇所のベアリングを交換するために必要個所を分解します。
リヤベアリングは、ドラム式もディスク式も、同じものを用いています。
こういう互換性が「フィアットらしい」と言いますか、上手な部品設計です。

冒頭画像はリヤハブベアリングの様子。
グリスが枯渇し、潤滑性能が低下した様です。

フロント側は、ナックルを取り外し、油圧プレスでの組み換え作業が必要となります。
注意すべきはベアリングの圧入方向です。
ドライブシャフト側に位置する方は、磁気エンコーダが含まれます。
方向を間違えると、大変な事になります。


前後共に組み換えを行い、各部の仕上げを行います。

音が消える事の確認・ABS&ESP関連が正常に作動するか、分解に伴うアライメント変化は無いか&ハンドルセンターは正常を維持しているか。など、最終確認項目は多いです。

フィアット&アバルトのベアリング部品代金は結構高額です。
予防的にすべてを交換すると、部品代金だけでそこそこな額になります。

安心の為にすべて交換するか、該当箇所のみにとどめておくか。
悩まされる選択です。今回は、該当箇所のみの対処といたしました。

Written by Hashimoto

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