シリーズ5以降のアバルトはちょっとしたコツが必要
クランクプーリによるアップグレード


サスペンションの組替えを終え、今回のもう一つのお楽しみ「ハイパフォーマンス・クランクプーリ」を装着します。

純正のスチール製クランクプーリを「アルミ製に変更する」という内容ではあるのですが、重量低減によるメリットだけが魅力ではありません。

クランクプーリにより、エンジンの点火タイミングを決定しているエンジンであるため、プーリ変更により点火タイミングを3度の範囲で進角する事が可能。

オルタネーターを駆動するドライブベルトを取り外し、純正クランクプーリを取り外すと目の前に登場するのがクランクシャフトです。
クランクシャフトにはスプロケットが装着されていて、そこにタイミングベルトが取り付けられています。

ハイパフォーマンス・クランクプーリは、このスプロケットに対して取り付けます。

クランクプーリとスプロケットを結ぶボルトホールに調整の為の楕円ホールが用意されています。
この楕円がアジャスタ機構となるわけですが、シリーズ5以降での調整時は若干のコツと加工が必要です。


この2枚の画像は、同じに見えて僅かに異なる内容です。
アルミプーリは、点火タイミングを3度の範囲で進角する事が可能。
ECUがノーマルであり、サブコンなどが装着されていない場合は、3度進角させたいところ。

ところが、クランクスプロケットの位置決めピンの形状が、今回のアバルトの年式あたりから変っていまして、そのままの状態では3度進角が出来ません。
上の画像が、無加工状態での最大進角
下の画像は、プーリ側を加工し、最大進角させたもの。
とても僅かな事ですが、違いがあります。
この僅かな差を詰めるかどうか、ノーマルエンジンの性能を引出すという意味でとても大切な要素だと考えます。

組み戻しを行い、エンジンの始動確認・テストランによる性能の違いを確認・エラー等の入力が無いかの確認・ECU学習値リセットの施行と、組付けるだけで完結ではありません。

クランクプーリを変更し、点火タイミングを進角すると、アクセル操作に対してのエンジンが反応するピックアップが良くなります。
また、全体的なトルク感の向上や、出力の向上についても期待の出来るアイテムです。

Written by Hashimoto

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