旧き良き時代風の車はステアリングラックの修理です。治して使えるのは素晴らしいですね。

ラテン車専門店な当社ですが、こんな車もたまに作業を行います。
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1960年代初頭のオースチン・ヒーリー・スプライトMK1に見えますが、これは1990年代に造られた
ヒーリー・スーパー・スプライトというモデルです。
分かる人が見れば分かる大きな違いは、エンジンフードが前にヒンジがあり、画像の様に開くのがスーパー・スプライト
後ろにヒンジがあり、画像とは逆向きに開くのがスプライトMK1なのです。
もっと言うと、スプライトMK1であってもFRP製のフードに変わっている個体は、画像と同じ向きに開きます。
どうでもいいですね。個人的に英国車は昔から好きなので、つい熱弁しかけました。

通称 「カニ目」と呼ばれるこの車は1990年代製と言えども、十分に旧き良き時代を彷彿とさせる要素が満載です。
エンジンは英国車に多く用いられたいわゆる、1275cc OHV A型ユニットを搭載し、
備わる気化器はWEBER DCOE40と通好みな仕様です。
ライトウェイトスポーツの代表格とも言える、小気味良い走りは低い速度域で車を運転する楽しさを100%堪能できます。

年式は新しいスーパースプライトですが、やはり構造的にはクラシカルで必要となる作業も多いです。

今回はステアリングギヤボックスの修理を行います。
現代の車ではアッセンブリー交換になってしまうところですが、旧い車輌は大抵の物は治せます。
考え方の違いでしょうね。
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構造がシンプルですので、分解もスムーズです。
もちろんパワステは備わりません。

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内部のブッシュと、タイロッドを交換します。

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交換する部位以外も分解を行い、各部のチェックを行います。
シャフトや、ベアリング類の状態は問題無さそうです。

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そして、パーツは全て洗浄します。
この洗浄には 新兵器トレント君 を用いました。変な言い方ですが必要以上に綺麗になります。
しかも短時間で。汚れ系作業が最近は本当に快適かつ楽しいです。

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内部のブッシュ。樹脂製です。あまり信頼性の高い構造ではありませんが、交換難易度がそれ程高く無い為
「悪くなったら交換しろよ」という意味さえ感じます。

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スムーズに組み替えが完了しました。
この車が作られた頃には無かったであろう、良質なグリスを使用しての組み付けは、今後耐久性や操作性に
貢献している事に期待を込めます。

車の基本を学べるオールドカーも好物です。

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