分かり辛いヘッドライトのトラブルを解決


ヘッドライト(ロービーム)が点灯しないという事で、お預かりをさせて頂いています。
こちらのパンダは、過去にもヘッドライトに纏わるトラブルが重なっており、その都度対処をしてきました。
ヘッドライトの内部配線が傷み、電圧不良を起こしていたので新調したのが前回の修理時点の話です。

コラムスイッチの接点不良も怪しかったのですが、それについては今回は問題無し。

電気の流れを追いながら、今回行きついたのは一番嫌な箇所でした。
ブラックボックス的でありながら、構造は一昔前なのでコレならなんとか対処できるでしょう!と意気込み分解します。

これだけ沢山のコネクタが集約し、フューズもリレーも全てがここに納まります。
と言っても、根気よく電気を探れば見えてくるのですね。
画像中央部の、縦長コネクタの下から数えて3~5の端子に違和感が生じています。
加熱による溶解が起きていました。

こうなるのは、ヘッドライトに許容値以上の消費電力なバルブが装着されている場合に起こりやすいです。
それと、この部分に取り付けられるコネクタの接触不良や、内部基板の問題。

よ~く見ていると、やはり基板のハンダクラックが僅かながら確認出来ました。
こういう事が起きると、加熱は避けられません。
さらにはこちらの車輌は、ヘッドライトの配線におかしな加工が施されており、通常ならば左右にそれぞれ独立の電圧が供給されるところが
片側の電圧を使って両側を起動させる回路に造り替えられていました。

予想するに、過去に基板の問題が起き、原因が基板とまでは行き着けず、応急的処置で配線加工を行った。
その為に、電圧のコントロールを行うコントロールユニット(ボディコンピュータ)はひとつの回路で、2つのハロゲンバルブを制御する事になった。
その結果、倍の労力を強いられて生きていた回路もパンクした。という事だと思います。

全ての謎が溶けて安心しました。
集中コネクタの端子は熱で使い物にならない形になっていましたので、潔く専用の配線に作り換える事にしました。
基板端子から直接配線を生やし、その配線を車輌側と接続する方法です。


正しく安定した電圧が供給される様になり、こころなしか今までよりもしっかりと点灯している様に見えます。
電気的なトラブルは嫌ですね。出来れば皆様の車に電気の故障が起きない事を祈ります。
Written by Hashimoto

関連記事