25年目にして冷却系統を徹底整備

2000年頃の306 N5S16は、エンジン冷却系統のトラブルでお預かりをさせて頂いています。
当車輛は、新車からワンオーナーでして走行距離は25万キロ台の半ばを迎えています。
私が20代の前半あたりから長きに渡り見させて頂いている1台です。
これまでにあらゆる個所を手掛けさせて頂いてきました。
今回は、チェックランプの点灯・水温の上昇など色々な電気系統不具合も抱えていました。
見進めるうちに分かったのは、クーリングファンが回るタイミングで、メータ内に[STOP]ランプが点灯するという事。
レッカー引取りの際、10月の夜半であるにも関わらずアイドリング放置で水温はみるみる上昇し、100°を上回ります。
クーリングファンが正常に動いていない模様でした。
この年式の306が、クーリングファンの作動に問題がある場合、現代車両の様に部品交換のみで完治するとは考えられず、作業はトラブルシュートを含め長期化が予想されます。
車の修理は、年数を経る毎に一筋縄には完了しなくなり、その個体に合わせた処置が必要となって来るもの。
特に、電気系統の不具合については難しく、10年前の常識が通用しなくなります。
私自身も、それに気づかされるようになったのはここ5年ほどの事です。
得意であった車両のトラブルが、自身のノウハウのみで完治しなくなってきました。
それは、車を取り巻く電気環境の変化が理由の一つでした。
アナログな車は、起きるトラブルはいつの時代も予想と答えがほぼ一致しますが、電子制御車両の場合はそうはいきません。
その都度、個体に合わせたトラブルシュートが必要となります。
ある程度の事は理解し、出来る様になったと自負していても、車の劣化は自身の成長と共に逆方向に進化する為、新たなトラブルシュートの手段と方法を紐解く必要があるという事に気付きました。
そういう経過を経て、このところは「ココがトラブルを起こすと厄介」と思われる場所にはあらかじめ最低限の処置を施しています。
処置に至るには、最低限の点検は必要ですがこの働きが上手く事が進もうとする流れになってきました。
電気系統は正常であるべき・そうあって欲しい。強くそう思います。
今回のトラブルと向き合う中で、最低限ここは抑えておくべき箇所を確認します。
トラブルシュートは迷宮入りする事が多い為、疑わしい個所を確実な状態に整える事も重要です。


今回の目標として、トラブルを治す事は最低限の事。
より一層、調子よく安心してお乗り頂ける事も同時に進行する予定です。
引き続き作業を進めます。













