グッドコンディションなゴルディーニRSのサスペンションリファイン
とてもコンディションの良いルーテシア3RS ゴルディーニはご新規様のお車です。
4月ごろに初回点検をご依頼いただき、2ヶ月ほどの期間を経て今回のお預かりをさせて頂いています。
走行距離は6万キロ台半ば。
各部のコンディションは良好ですが、足回りについては個体差も含めての劣化が進んでいました。
サスペンションテストにおいて、フロントストラットに生じている劣化が明らかになりました。
サスペンションテストの判定結果は、路面粘着率のグラフから読み解きます。
ダンパー減衰が損なわれていたり、アッパーマウントが劣化をしているとストラットの上下動の制御が利かなくなり暴れてしまいます。
その結果片側のみに不具合が生じていると、画像の様な左右差を確認できる様になります。
画像の様な劣化が生じると、段差を越える際になんとなく衝撃の入力がきつくなった様に感じる事が増えます。
片側のみに生じる不具合は、思いの外に乗って勘ずく事は難しく、あれ?程度の印象となります。
左右に不具合が起きると、様々なシーンで明らかに異常を感知する様になります。
足回りの良否判定は難しく、的確な結果を提供できるテスターの力は心強いです。
今回、セットアップさせて頂くのはおなじみのハイスペックスタンダードダンパーと、純正形状スプリングです。
優れた純正のセッティングを熟知し、その上を行く製品として仕上げた自慢の逸品です。
冒頭画像の説明です。
今回の作業に当たっては、ダブルアクスルストラットを取り外す必要があるのですが、その際にはドライブシャフト・スプラインの勘合を外す必要があります。
ルノーのドライブシャフトスプランは、他車種に比べると勘合が硬い事が多いです。
3台中に1台は倍力系の工具で勘合を外す必要があります。
画像は、新たに導入したハブプーラー。
初めて使いましたが、めっちゃ良い!
これまでは頑丈なプーラーをセットした後に、馬鹿でかいレンチで締め込んでいます。
今回のプーラーは、内部に油圧機構が仕込まれていて短いレバーを締め込むだけで作用点に大きな力を与えます。
これにより、無駄な力を必要とせず固着したスプラインを抜き取る事が出来ました。
アクスルのジョイントベアリングは、大きな劣化は確認できませんがここまで分解したなら交換しておきたいです。
お決まりのスプリング折損の状況。
指でクイッと持ち上がります。折れてますね~。
この部分で折れる事が多いのが、シャシスポールのスプリングです。
各部の組み換えを進める為、分解を行っています。
パーツ単体の洗浄を終え、作業環境を整えます。
リジッドメンバーもセットアップしましょう。
サブフレームの凝結に用いる部品ですが、ルーテシアではこの部分の強度が不足していて力が逃げてしまいます。
少しでも強度を増すために、ラバーブッシュのマウントを排除し、スチール製に組み替えます。
綺麗に仕上げた部品をそれぞれ組み込みます。
この後はリヤ側の組み換え~試運転を行い、アライメントの作業へと続きます。
良い仕上がりに期待を込め引き続きの作業を行います。
Written by Hashimoto