クラッチディスクが減っていた!
作業開始と同時に、思わぬエンジン不調と直面したアバルトは、その後のプラン再構築を経て今回の主たる作業を進めています。
メイン作業は、クラッチ交換と合わせて行う、アバルトハードワークの定番メニュー「軽量フライホイールのセットアップ」です。
10万キロを越えたあたりの今回のアバルト。思った以上にクラッチディスクの消耗が進行していました。
ディスクとフェーシングを繋ぐリベットは、フェーシング面から顔を出す寸前の状態になっています。
ぱっと見で分かる厚みの違い。
測定してみましょう。
先ずは、これまで使用してきたディスクの厚み「5.4mm」
新たに組付けるディスクの厚み「6.9mm」
1.5mmの消耗はなかなかです。
当初伺っていた、クラッチが滑っているかも?というお客様の声は、もしかすると本当に滑っていたのかもしれません。
ミッションが降りている隙に交換しておきたいのが、水温管理のサーモスタット。
樹脂劣化により、破損する部位も含めてこの機会に交換します。
取り外したサーモスタット。そこに取り付けられている、樹脂のコネクタジョイントは、ホースの差し込み口が見事に折れました。
見通しの良い環境で、施工性が上がります。
クラッチ交換の際は、分解点数が増えるので普段は施行し辛い事も一気に進める事が可能です。
シフトロッドエンドを強化品へと組替えます。
この部分も、この時ならではの箇所です。
純正品のラバータイプからリジッドタイプに変更します。
ラバー部分のヘタリが進んでいる事が多く、場合によってはミッション側から取り外す際の加力により、分離することもあります。
ゴムの弾性が無くなり、少しですがシフトフィーリングが良くなります。
新たに組付けるフライホイールに、新しいクラッチメカニズムをセットし、クラッチの単体作動テストの施工。
毎度の事ですが、施工するとしないとでは、安心感が大違いです。
クラッチダイヤフラムの作動力をチェックし、切れ具合共に確認を行います。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto