ヒビ割れは盛大に及んでいた
アバルト・タイミングベルトの交換


前回のベルト交換から5万キロ程を経過したアバルト。
今回は、ベルト交換を中心に劣化の予防整備として各部の整備を進めます。

ベルトカバーを開けると、思った以上に進行した劣化に驚きます。
少し前に、そろそろベルト交換を行いましょうとご案内をさせて頂いていました。
その際はオルタネータ交換が必要となり、ベルトの交換は先送りとなります。

ここまでヒビ割れが及ぶと、ナイスタイミングでの交換と言うよりは、よく持ち堪えてくれた!という表現が正しくなります。

ウォータポンプからは、水漏れが始まっていました。

距離と年数によっては、テンショナの下に位置するスチールキャップが傷み、水漏れを起こす事が稀にあります。
エンジン内を流れるクーラントの濃度が薄い・クーラント性能低下 によりスチールキャップの裏側に錆が生じ、それが起因し水漏れが始めるという悪循環ですね。

各部のコンディションの実際の状況を確認し、これまでの履歴と照らし合わせて今回の交換部品を決定します。
昨今のスパークプラグは特に注意が必要。
素材が良くなった事から、従来品の様に消耗を目視で確認する事が出来なくなっています。
使用期間を確認し、単体テストと合わせて交換の必要性について考える必要があります。

クランクの角度に対して、カムの角度に若干のズレが起きていました。

カムプーリを緩め、適正なポジションに合わせて組み付けを行います。

ベルトカバーに沿わせてセットされているのは、クランクセンサーとプレッシャセンサの配線。
経年でコルゲートに損傷が出ています。

コルゲートチューブを新調し、カバー外周にセット。組み付けを進めます。

アバルトは、生産年数が長く、初期のモデルと現代のモデルとでは車輌のコンディションに大きな差が出ています。
年数に合わせたメンテナンスと、その個体に必要な交換部品の吟味が大切ですね。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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