エアコンが冷えない原因はコレか!
プジョー106s16は、エアコンの作動不良とその他マイナートラブル数点の解決の為、お預りをさせて頂いています。
何度も申し上げていますが、今年は例年以上にエアコントラブルのご相談が多い、そんな夏でした。
ピークをようやく過ぎた、と思えば途端に秋を感じる涼しさがやってきました。
エアコンのトラブルもピークを過ぎそうです。
今回の106は、今年の夏はエアコンを頼りに出来なかったという事で、ようやく修理の段取りを組ませて頂きました。
基本的な部位を点検し、見えて来たのはガス量の低下では無く、エアコンサイクルの部分的な欠如です。
冒頭の画像がその欠陥部位でもある「エキスパンションバルブ」です。
通称、エキパンと呼ばれる部品です。
エキパンは、加圧されたクーラーガスを霧状に噴霧する役割を持ち、その瞬間に熱を持った高圧ガスは一気に冷気へと変化します。
その冷気をエバポレータ(室内のラジエタのような冷媒通路)に導き、ブロワモータの風を当てると、室内に冷たい風が届きます。
点検を進める際に気になったのは、エキパン本体はキンキンに冷えている物の、リターンの低圧ラインはまったく冷たくなっていない事でした。
エキパンの入り口で何かが起きている可能性が高いと予測し、外した後に内部を点検すると。
上下の通路(下は高圧・上は低圧)の高圧側の穴の奥には、何か物体がある事が確認出来ます。
エキパンが詰まった状態です。
詰まった物体を取り覗いてみると、変質したペレット状の物が出て来ました。
エアコンシステムの中で、この様なペレット状の物が含まれるのは、おそらくレシーバの中身であると推測します。
レシーバの中で何かが起き、今回の件に繋がったのでしょう。
106のエアコンシステムにはガスの流れが2種類あります。
前期モデル
コンプレッサ→コンデンサ→レシーバ→エキパン
後期モデル
コンプレッサ→レシーバ→コンデンサ→エキパン
今回の106は前期モデルであるため、コンデンサの後にレシーバが備わります。
後期モデルの場合、今回の症例が起きるとコンデンサの中にペレットが充満する可能性が有りますが、前期の場合はレシーバ~エキパンの間で被害は止まりそう。
(正確には、止まっていてほしいです)
レシーバを交換するつもりで取り外し、配管内の点検を行いながら同時に清掃も行ってみたいと思います。
Written by Hashimoto