やはり減ってますね~!

プジョー206は作業を本格的にスタートしました。
先ずはミッションを降ろして、その流れで行える事に的を絞り作業を進めます。
この手の一斉整備は、事前の作業内容の把握と順序立てが最重要となります。
サブフレームを先行して取り外し、後のロワアーム交換などの作業に備えます。
ミッションのアッパーマウント。
バッテリとそのボックス&ボックスを固定するブラケットを取り外すとマウントの全貌が見えるのですが、経年劣化が甚だしいです。
亀裂が多く入り、そして潰れ具合もなかなかのレベルに育っています。
よくこの類いの作業を行っていた頃は、ここまで酷い状態に至ることはあまり見かけなかったですが、これも時の流れによる変化ですね。

106と同じ形式のミッション。
通称MA型と呼ばれるタイプです。軽量でコンパクトな設計で、色々なプジョー・シトロエンに使われていました。

クラッチハウジング内部は、ダスト汚れとオイル汚れが混じり、頑固な汚れとなりこびり付いています。
このサイズのミッションは、洗浄機にギリギリ入れ込めるので後ほどズバっと洗浄を行います。
取り外したクラッチディスクは、スリットが消えてはおらず一見するとあまり減っていないかの様に見えたのですが、それはスリットが深めに入る事が理由でした。

新旧のディスク厚は2mmもの寸法差が生じているので、消耗レベルとしてはガッツリと減っていると言えます。
クラッチ単体テストでのダイヤフラム荷重チェックと、切れ具合のテストを施工。

安心感のある荷重値を確認出来ました。
旧ディスクでの計測では120キロを計測した事から分かる様に、消耗が激しかったことを物語っています。
こちらは、組み替え後のクラッチカバーと、ミッションを降ろした際に確認した旧カバー、それぞれのダイヤフラムのセットアングルの比較用画像です。

新しいカバーは、ダイヤフラム中央部が平らに近いのに対して、旧カバーは盛り上がっている事が分かります。
中央部の立ち上がり角度が強くなる=クラッチ操作時に力が必要になるという事に繋がります。

ミッション側に備わる、消耗箇所のリファインも進めながら引き続き作業を行います。
Written by Hashimoto













