ダウンサスのみ装着をお勧めしない理由として
(ABARTH500をモデルにご説明)

今回は、お客様からのお問い合わせの件数の多い内容をメンテナンスを行いながらご説明していこうと思います。
「車高を下げたい」
半数以上のユーザーさんが口にされる言葉です。
この思いを形にするに、様々な手法をご提案させて頂いています。

「出来れば安価に下げたい。」
そう言われるお客様は、イメージとしてスプリングのみの交換で。という内容を求められることが多いのが事実です。

当社では、その手法を最もお勧めしない車高の下げ方として認識しています。

なぜなら、純正ダンパーのストローク限界を超えた所を常用稼働域としてしまうからです。
つかってはいけない部分を、常時ストロークさせ続けるとダンパーはどうなってしまうのか。今回、非常に良いデータを採れました。

話は戻りますが、今回のアバルト500は既に上記の手法にて車高が下がった状態です。
足廻りのご相談でご来店を頂きまして、結果ダンパーを交換する打ち合わせ~ご依頼となりました。

低く身構えたスタイルは、スポーツ要素の強い車ならば必ず求めたくなります。
現在組み付けられているローダウンスプリングは品質的に良い物ですので、その特性を活かすべく今回の作業を行います。

作業前に現在の車高の測定を行います。装着済のスプリングは、程よい車高でレートもしっかりしてそうです。

そして、サスペンションテスト(BOSCH SDLテスト)を行います。

左側の測定動画

左側のテストが完了。

続いて右側の測定です。

このテスト結果が何を現すかと言いますと、右側ダンパーの減衰が完全に失っているという事です。
テスト中の上下に動くタイヤの動きを見ていると、テスト中盤にタイヤが非常に暴れていることが見てとれます。
左側がかろうじて機能しているので、走行中の不安はそこまで感じずに走れますが、もしも左も減衰を失ったらフロントの揺れが収まらず非常にスリリングな走行状態となります。


と、言う流れでダンパーの交換を行っていきます。

足廻りに手を入れたい方にとって、興味深い内容となっているのでは無いでしょうか。
続きはのちほど。
Written by Hashimoto

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