ジュリエッタ・エンジンチェックランプ点灯の原因は?


各種作業を進めているジュリエッタです。初回の点検時より、エンジンチェックランプが点灯していました。チェックランプの点灯中はダイナミックモードへの接続が出来なくなりますので、本来の出力を味わえなくなります。つまり、ストレスが溜ると言うことです。

当初の診断結果としては、暖機後の水温に異常を抱えていました。QVではたまに有る例です。実際の水温が98度位に対して、ECUが認識している水温は140度でした。水温を検知するセンサは、サーモスタットに備わるため、定期的に交換したい部品ですのでサーモスタットの交換を行いました。(サーモスタットに水温センサが付いた状態で出荷されます)
おそらくそれで解決するだろうと、考えていました。

ところが、センサ交換後に水温は適正値を示す様になったのですが、まだチェックランプは依然と点灯を続けます。
まだ何かあるな...と、トラブルの原因を探っていきます。

次に出るエラーは「ラムダセンサー バンク1 センサー2 異常」でした。診断テスタは直ぐにラムダセンサーのエラーを出力してきます。本当にその部位が悪い事は稀です。
テスターがそう言ったから、センサーを換える。という流れは好きではないので、疑いを持って臨みます。

大好きな環境。デジタルとアナログの融合です。
BOSCH FSA・SNAP-ONサーマルメイジャー・電流計付き電圧発生器・これらを使って正確な部品の判断を行います。

疑いをかけたラムダセンサーを取り外し、ヒーター回路に電圧を与えています。

その状態で、スナップオンサーマルメイジャーを用いて、ラムダセンサーが加熱状態になるかを診ています。
最高温度で41°です。全くヒータが熱せられていません。
おそらくヒータ回路の断線が原因ですね。

新品のラムダセンサーに同様に電圧を与えて行きます。
すると、先程は電流計の針は微動だにしませんでしたが、1.2Aの消費電力を確認。

FSA側のオシロスコープにも同様に電圧の変動が確認できました。

そして、温度計も変化が出ています。
先端部が110°としっかりと温度上昇する状態になりました。

これでラムダセンサーのヒーター回路が正常に戻ったことが確認できます。

運良く治るではなく、確実な方法で部品の不具合を特定できました。


エンジン始動・試運転においてもエラー入力される事も無く、肝心なダイナミックモードにも切り替える事が可能になりました。

おそらく、センサーを破損させた原因は水温140°という所にあったと思います。
水温が高いという誤った情報がECUに入る事で、空燃費が異常となります。それにより燃焼温度が上昇し、センサー破損に至ったのではないかと思います。

これでしっかりと本調子を楽しめますね。
Written by Hashimoto

関連記事