スフェリカルアッパーC2をツインエアーに


サスペンション機能の極端な性能低下の確認から、当社のオリジナルサスペンションに変更する事が決まったツインエアー・チンクの作業です。今回は施工車両の現在のカスタムの方向性から、アッパーマウントにスフェリカルアッパー・C2を選択する事となりました。
スフェリカルアッパーのN1とC2の違いは、アライメントデータの狙いをどこに設定するのか、にあります。N1はノーマルマウントの装着位置と同様に設定し、C2はキャンバーキャスターをスポーティな仕様に仕上げる際に用います。ダンパートップ部のセット位置をオフセットする事で、キャンバーをマイナス方向へ1度 キャスターをプラス方向へ1度 純正比の数値で多く設ける際に用います。

アッパーマウントの下側にはスプリングアッパーシートが備わりますが、ここにはスラストベアリングを組み込んだ物を使用します。

オリジナルサスペンションに関するアルミパーツは、全てがメイドインジャパンでの統一をしています。ハイクオリティ・高精度を誇ります。組み付け時の下準備は手作業でベアリングへのグリス注入や、場合によっては旋盤加工で形状を変更する事も行います。サスペンションキット1台分をコンプリート状態にするには、意外と手間を要しているという事です。


スチーム洗浄と防錆処理でキリッと引き締まった足回りに、パールホワイトのダンパーを組み付けていきます。

元々組み込まれていたローダウンスプリングの車高を基に、大きな変化は出ない様に車高を調整しました。フェンダーアーチとタイヤとのクリアランスは、狭すぎると正統派な車高から遠ざかりますので、ストロークが確保でき、それでいて見た目にカッコいい。いつも意識している重要な事です。


リヤのキャンバー角と比較すると、フロント側は明らかに角度が異なります。ストラット下側でのマイナスキャンバー増加は、サスペンションの理想的な操作性に弊害を及ぼすため今回の様にストラットアッパー側で補正を行うのが理想的です。取り付けるだけでご覧のキャンバー角度が得られますので、そういった要素をお求めの方には最適です。

4輪アライメントでの調整仕上げを行い、試運転・サスペンションテストへと続きます。

Written by Hashimoto

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