ルーテシア3RS ブレーキタッチの改善
マスターシリンダーの交換


「ルーテシア3RS クリオ3RSなら、レッドポイント」の位置づけを決定づけたと言っても過言では無い一台です。このルーテシアのご紹介以降、全国各地から様々なご相談を頂いています。とても知名度のある個体の様で、色々な場所で「レッドポイントの工場通信に出ていた車ですよね?」と聞かれるそうです。
今回は、サーキット走行以降ブレーキペダルのタッチに違和感を感じる様になった。という事で、これまでに施せる対策は行ってきましたが改善されず、マスタシリンダの交換を行う事に。

マスターシリンダの装着位置はここ。エンジントルクロッドの直ぐそばですね。


リザーブタンクが大きいので、隙間から出してくる感じです。

取り外したマスターシリンダと、新たに取り付ける物です。シリンダ内にはフロント用・リヤ用の2系統の油圧発生装置が組まれています。ちなみに、どちらか一方が機能を損なった場合であっても、もう片方には油圧を発生する事が出来る構造です。あえて言う事でもないですが、昔はシングルマスターと言って前後に配分する油圧を一つのピストンで請け負っていました。現代はこのタンデムマスターが普通です。
シリンダ背後には、マスターバックと言う倍力装置が備わり、エンジンの負圧の力を利用する事でペダル踏力以上の力をマスターシリンダーに入力します。エンジンが始動していない時にペダルを踏むと、とても硬く感じますよね?その状態でエンジン始動をすると「グイーー」っとペダルが深く入り込みます。これが倍力装置の補助力です。

マスターシリンダの組み換え後、伝送式圧送器を使ってブレーキラインのエア抜きを行います。任意の圧力に設定する事ができ、ブレーキシステムに合わせ最適なフルード交換とエア抜きを行う事が可能です。

最近入手した、あると少し便利な小物があります。

エア抜きの際にブリーダープラグにはめ込み、ホースを接続できるシリコン製のアダプタです。繋ぐホースの角度に負担をかけず、作業性が上がります。

やたらとブルーで統一されていました。偶然です。

マスタシリンダの交換で、ブレーキの性能は気持ちよく復活しました。おそらく、内部での油圧保持がうまくいかなくなったのでしょう。
多くのルーテシアに携わっていますが、ブレーキの踏みしろに個体差が多いのは事実です。過去の使い方によって、マスターシリンダがお疲れの車も多いのかもしれません。今後の判断に役立つ良い作業となりました。

Written by Hashimoto

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