イプシロン(843)固着したABSセンサの外し方
メイン作業はハブベアリングの交換


ランチア・2代目イプシロンは、車検整備の進行中です。ハブベアリングの全数交換を行うのですが、フロント側のベアリング交換の際に問題発生です。どんな車でも起こりうる事ですがABSの作動に用いる車速信号を検知する、センサーの固着です。

センサーを外さなければ、ベアリングの抜き替え作業はできません。センサー本体は樹脂ですので、無理に力を掛けると簡単に折れてしまいます。鉄の鋳物の中にセンサーがはまっているのですが、錆により固着してしまうのですね。

左右ともに固着していましたが、ここは焦らずじっくりと向き合う事にしました。
「イールド」を吹き付け、ホール内に溜まる様に漬け込み浸透させます。しばらく放置したのちに、再度チャレンジすると。。なんと抜けました!

その後は、ホールの清掃の為、アジャスタブルリーマーで錆び層の清掃を行います。


無事にベアリングの組み換え作業が完了です。ベアリング交換と言うよりは、ABSセンサの摘出でした。

ブレーキホースの交換を行い、サスペンションパーツとブレーキパ―ツの化粧直しも終了し、引き続きの作業を進めます。

車に起きる症状は、個性豊かです。使用状況や経過年数、色々な事に影響を受け、個性的な症状が現れます。症状に合わせて最善の手法を考える事も、この仕事の魅力でもあると思います。上手くいくこと・思い通りに済まない事、いろいろありますがそこを支えるのは現場の環境です。10年前は不可能であった事も、今では可能になっている事が多々あります。今後もあらゆる分野を充実させることが出来ればと思います。

Written by Hashimoto

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