プジョー106はブレーキ関連のオーバーホール作業
リヤキャリパは交換が正解


12ヶ月点検にてお預かり中の106s16です。こちらの106のお客様とのお付き合いも非常に永いです。かれこれ20年近くでしょうか。良い状態を維持していますが、最近は経年からくる作業を順序よく施工後依頼を頂いています。

今回の主作業は「ブレーキメンテナンス」です。
フロントキャリパーのオーバーホール・リヤブレーキキャリパの交換です。
フロントブレーキキャリパは、スチールシリンダ(ブレンボの様な場合はアルミシリンダ)にピストンシール・そしてスチールピストンを組み込んだシンプルな構造です。
ブレーキペダルを操作すればリニアに制動が立ち上がるのが当たり前の事ですが、キャリパーシールが古くなったり、ピストンに汚れや錆が付着すると動きが悪くなり、最悪の場合はフルード漏れを起こします。20年経過していれば、外傷上の問題は無くともメンテナンスはしておきたいですね。

取り外し、ピストンを抜き取ったフロントブレーキキャリパー。
ピストンには、摺動箇所の汚れが目立ち、キャリパ側にはダストブーツが装着されていた辺りに錆が目立ちました。

洗浄&清掃作業により、ある程度本来の色を取り戻しました。

この日はとても慌ただしく動いていたため、画像をあまり残せていませんでした。

リヤキャリパーについては、オーバーホールを行う事も可能ですが、今回は交換とさせて頂きます。
理由は、フルード交換&エア抜き施工用のブリードスクリューが折れてしまっているからです。
アルミボディに、スチールのスクリュ。しかもネジ径が細く折れてしまっているケースは多いです。
普段のフルード交換は、フレアナット部を緩めてメンテナンスを行うのですがやはりブリードスクリューから抜きたいです。
この折れたスクリュを抜き取る事が非常に難儀でして、何度かトライしたのですが、上手くは行かずに断念しています。

ハンドブレーキ機構を備えるリヤキャリパーです。その部分のダストブーツは亀裂が生じていました。

新品のキャリパが入手可能ですので、部品に頼れるうちは頼りたいというのが本音。

キャリパーボディが新しくなり、ハンドブレーキ機構も新品。そしてフローティング機構も新しくなりますので決して高価では無いと思います。

同じ部品を、この時代の色々な車種にも使用可能です。


パッドホルダーのスチール部分は、清掃を行い再使用としています(キャリパ本体にそこまでは含まれません)。
リヤ側は熱の入り方が異なるのと、ブレーキダストの量も少ない為にウォータブラストにより新品の美しさを取り戻すことが出来ました。
ディスクロータの錆びていた箇所も化粧直しを行い、リフレッシュした事が一目で分かる仕上がりです。

他にもオイル漏れ修理作業がありますので、引き続き進めて行きます。
Written by Hashimoto

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