アバルトMTA フライホイール作業の続き
仮組み・作動確認まで


軽量フライホイール組み付けの為、トランスミッションを取り外しました。
MTAのアクチュエータは装着したままの状態で降ろしています。

デュアロジックと比べると、MTAシステムは作動不良やトラブルを起こすケースがとても少ない事が特徴です。
それには理由がありまして、高負荷部品を2分化している事が理由だと考えています。
それがこの部分。
クラッチレーリズシリンダ兼、クラッチアクチュエータです。
デュアロジックの場合、この部分の代わりとなる部分がアクチュエータに1体型として備わります。
アバルトは別パーツとしてセットされています。

電気式作動・油圧制御である事は共通なのですが、負担の大きい箇所を別構造として制御する事により疲労軽減として、システム全体の長寿命化に成功したのだと思います。

こちらはメインのアクチュエータ。
役割は変速機構ですね。変速のみならば、負担はそれほど大きくは有りません。
デュアロジック機構の場合は、これらがひとつのユニットとして集約しています。

リザーブタンクの中には、システム作動の為の重要な作動油が入っています。
労力の割に交換頻度は少ないのが実際の様です。
当社では、このシステムの為に専用開発した作動油をリリースしており、定期的に交換を行っています。
「SessA マキシクリア」という名称で、製品をご用意しています。

そして、今回使用する「軽量フライホイールKIT」です。
アバルトのフライホイールとクラッチメカニズムは、種類と組み合わせが豊富でして、車体番号を基に部品を特定する必要が有ります。


組付け前には、単体でのクラッチ作動が正常に行えるかもチェックします。

ノーマルのデュアルマスフライホイールと、オリジナルの軽量フライホイールの重量チェック!
約9キロに対して、軽量品は4.5キロ!この差はでかいです。

各部の組み付けを進め、完全に組付けを終えるのでは無く、途中段階でエンジン始動・クラッチ作動の確認を行います。
この際に、テスタによるキャリブレーションの一連も行います。
MTAの場合、この一手間が結構重要です。
サブフレームは搭載せずに、エキゾーストパーツは組付けて。。とテストの状況を用意します。

無事に作動確認~キャリブレーションを完了!
この後、仮組み箇所を再び分解し、転がせる状況にします。その後は先に4輪アライメントの作業へと移る予定です。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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