DS3のエンジン性能復活作業
これ、とても効く作業です


各部の整備の為、お預かりをさせて頂いている DS3 です。
走行距離は少なめですが、そう思う時期にしっかりと整備を施す事は、この先を永く大切に乗ろうとする車に対してとても大切な事。

車の置かれる環境は、使い方にもよりますが日々変化しています。
車は変化に対しての適応力が高いので、制御的な自己補正で色々な事を無かった事にしようとします。
補正が追いつかなくなり、バランスを崩すことで不具合として表にではじめる事も少なくはありません。

今回行う作業プランのひとつに「タイミングチェーンのメンテナンス」を含めています。
これは、先ほどご説明した長期的に補正を繰り返すという内容の一つと言える、機械的状況変化によるエンジン性能の低下につながる内容のひとつ。
タイミングチェーンは、交換サイクルはベルトと比較すると飛躍的に長いですが、金属部品ゆえにそのものの伸びによる影響は避けられません。
それをチェーン交換に至る手前のタイミングで補正を行う事で、色々とメリットがあるというわけです。

SSTをセットし、カムシャフト角度を確認すると、チェーンの伸び・テンショナパッドの消耗を含めて盛大にずれていました。
雑なメモ書きですが、こういうメモが作業中に重要になる事もあります。
過去の失敗や経験、あの時にこうしておけば良かった。そんな事が先々の色々な確認事項に繋がります。

インテークカムは マイナス2.5°遅れが生じています。
カム的には遅れですが、クランク的には進みと言えますかね。エンジンの回転部品の理解はややこしいものです。

カムカバー内部は、とても綺麗な状態でした。
これは、過去のオイル管理が良かったと評価できます。
オイル管理が良ければチェーンの寿命も延びます。
最低限の部品交換にて終える事ができそうです。

油圧式テンショナを交換し、カム位置を正しく補正します。

調整作業は、インテークエキゾーストそれぞれ個別に行います。
インテーク側は大体の場合が2~3回の調整・確認を行いながら正しい位置に補正します。

ウォータポンプの交換・ドライブプーリの交換を行いました。


仕上げにレデューサを取付ました。
エンジンをふわっと軽く回す、クランクケース減圧バルブです。
エンジンの制御方式により効果は様々ですが、どのエンジンに付けても軽やかに回るフィーリングは気持ちが良いです。

この後は基本整備などを進めながら、整えて行きます、
Written by Hashimoto

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