各部を整え、作業の進行中


クラッチディスクの消耗が進行していたアバルトは、細部を整えながらの組付け復旧を進めています。

搭載前のミッション・クラッチハウジングは、メインシャフトにグリスを塗布する事を忘れてはいけません。
塗布箇所はスプライン形状ですので、凹凸があります。
凹の中にグリスを均一に塗り伸ばし、馴染ませるにはクラッチディスクを使用するのがベスト。
シャフトにグリスを塗布し、ディスクのセンターを使用してスライドする事で、薄めかつ均一に塗り伸ばすことが可能です。

汚れを洗浄し、アルミの肌が綺麗になったケース本体。
シフトチェンジ部のブーツ交換と、その中の可動部分の洗浄・グリスアップも大切な事前準備です。

新しいレリーズシリンダをセットして、搭載準備を整えます。


クラッチメカニズムのセットアップ完了。

ミッション搭載後は、早めの段階でクラッチフルードの交換・エア抜きを行います。


サブフレームを搭載する前に、エア抜きを施行。
その後にエンジンを始動できる所まで、組み付けを進めたらその段階でエンジン始動~クラッチの切れ具合・半クラの位置関係の確認を完了させます。
事前にクラッチ単体テストは完了しているものの、完組み前に最終チェックを行う事で、組付け後のトラブルを回避できます。

サブフレームを搭載する際に、気に掛けるのはそこで使用するボルトなど。
モノコック内部で水分に晒される箇所がある為、ボルトが錆びている事が多いです。

錆の除去により、使用可能な状態に戻るボルトもあれば、戻らないボルトもあります。
そんな時のために、M14のメインボルトとM12&M10 ボルトを常時在庫しています。

今回は、2本は復元・2本は新調する事となりました。
ボルトホールにグリスを注入する事も、大切な事前準備の一つです。


ロワアームのリヤ側ブッシュは、自社製ブッシュに変更を行いました。
この所は、軽量フライホイールの通販が増え、同時施行として当ブッシュをご用命頂く事も増えています。
それもそのはず。クラッチ交換の際に同時に施行するのが最も合理的です。


ロワマウントを新調し、組付け作業も後一息です。
この後に、フレーム防錆・エキゾーストパイプの化粧直しも施します。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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