2次エアー混入で空燃費に変化が出る症例
プジョー206


各部の整備を遂行中である プジョー206 は、作業前の試運転において不定期に発する異音が気になりました。
助手席側(左側)から「シューー」という音が聞こえています。
ロードノイズや、窓を開けていたりするとかき消されるレベルの音です。

部類的には、空気が漏れるような音。
もしかして、と思いブレーキペダルを踏んでみると ピタ と鳴り止みます。
ペダルから足を離し、暫くすると再度シューが始まります。
間違い無く、ブレーキ・マスターバック(真空倍力装置)のエアー吸いであります。

真空倍力装置は、エンジンの吸入力を使って、作動させています。
部品内部に気密保持不足が生じる事で、空気を吸うというのが今回の事例の原因です。

エンジン負圧を使って、作動する為にエアー吸いを生じるとエンジンにとっては2次空気を吸っている事になるので空燃費が乱れます。
燃料が薄い方向に向きます。よくないですね~。
旧い車の場合は、オーバーホールを行う事も可能ですが、206は本体交換が必要となります。

というわけで、部品を取り寄せて組み替えを進めます。
通常はブレーキペダルの側にマスターシリンダとマスターバックが備わりますが、206は左ハンドル設計が基本。
右ハンドルの場合、室内に強固なリンケージが備わり、それを介して左側のマスターシリンダを操作します。

マスターシリンダを外した際は、取付部の隠れているところを点検します。
この部分には負圧が及んでいますので、シール力の欠損によりブレーキフルードが漏れ出して、吸引されます。
昔は特定車種で多かったのが、どこからもブレーキフルードが漏れて居ないのに、フルードが減る。という症状がありました。
マスターバックに吸われて、エンジンに吸引されるのですね。

今回は、そういう事案は起きていません。

組付けを行い、症状の改善を確認出来ました。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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