ルーテシア3RSはタイミングベルトの交換


ご新規様のルーテシア3RSは、初回整備のご依頼を承りました。
走行距離の少ないルーテシアですが、新車からタイミングベルトの交換は未施工との予想。
ベルトカバーを開けると、そこにはおぞましいレベルのひび割れが拡がっていました。

一目で「やばそう」そんな雰囲気の伝わるタイミングベルト。
普段からの走行距離は控えめですが、乗る時は一気に乗る。そのような使い方をされる様でして片道1000キロ近くを走破する事もおありだそうでして。
その工程をこのベルトで走っていたと思うと、思わず右足の力が抜けそうです。

4番シリンダのピストントップを検出し、カムシャフト位置を固定。
ベルト交換の作業を進めて行きます。

作業に伴い、インテークチャンバーを外していますので、この際に燃料ホースの対策交換も進めます。

ベルトコンディションは劣悪でしたが、その周囲も危険な状態でした。
ローラーベアリングは、グリス枯渇を起こした様子で「ジャー」っと音を立て、軽い力で回転する状況です。

アイドラベアリングの新旧比較。
どちらも純正部品ですが、ベアリングの厚みに違いがあります。
これは、耐久性向上の為に仕様変更がなされた事で製品が別物になっている事を意味します。
初期型のベアリングであるという事です。

とても重たいクランクプーリを、弊社オリジナルの軽量プーリに置き換えます。
これだけで驚くほどに、アクセルレスポンスに変化が出ます。

不快感を覚えるほどの振動増加を起こしていた原因は、エンジンアッパーマウントの劣化です。
潰れ量というより、内部のオイルダンパ機能が低下していた事が原因です。

イグニッションコイルと、VVTソレノイドを固定するボルトホールのねじ山がズボ抜けていました。
このままではそれぞれを固定する事が出来なくなるので、手当てを行います。

オーバーサイズの穴加工後、ねじ山を刻み、上部の段付き面取りを行います。

ナットサートを入れ込み、ねじ山の復元。
この方法が、耐久性が高くお勧めです。

各部の組み付けを行い、その他の作業も含めて全体を仕上げていきます。

Written by Hashimoto

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