FIAT PANDA3 DMF(デュアルマス)→HWF(ヘビーウェイト)


フィアットパンダ FF ツインエアー マニュアル は予防整備の意味を込め、フライホイール交換を遂行中です。
予防整備の内容は、DMF デュアルマス・フライホイール のトラブルを回避すべく、DMFのダンパー機構を持たないソリッド構造のフライホイールに変更します。
弊社では直接遭遇をしていないトラブル案件に、DMFにトラブルが進行する結果として、ミッションケースが大きな損傷を受けるという内容があります。

DMFを装着した同型車が皆、同じトラブルを起こすことはありません。
そうなる可能性がある。という認識のツインエアーに装着されるDMF。
ならば、不安撤回として安心構造のソリッドフライホイールにコンバートしてしまおう!というのが今回の作業です。

今回使用するフライホイールは HWF:ヘビーウェイト・フライホイール という名称を持つ弊社のオリジナルパーツ。
読んで字の如く、重たいフライホールであります。

エンジン出力が高く、スポーツ性能を重視する車両の場合はフライホイールを軽く仕立てる事で、スポーツマインドの溢れる性格に導きます。
ツインエアーの様に、小排気量の車輛には軽量パーツはマッチしません。
トルク低下が際立ってしまうからです。

そこで、HWFはDMFの重量に合わせてクロモリ素材で製作しています。
それにより、エンジン性能の低下を招くことなく不安要素を拭う。これが狙いであります。

ツインエアーエンジンに用意されるクラッチカバーには大きく分類すると2種類の設定があります。
圧着力の強いタイプと、中程度のタイプ。
これは、強化品という意味では無く純正の設定としての意味合いです。
主に使用されているクラッチカバーは、反発力の大きい・踏力としては重たい傾向の物が多いです。
8万キロほど走ると、クラッチペダルの操作時に妙な重たさを感じる事が多いです。

その為、弊社ではお客様にご説明のうえ、クラッチを使い分ける手段をご用意しています。
今回は、ペダル操作力を軽く仕立てる事を狙いとして、低レートのタイプを用います。

重量計でカバーの操作力を計測すると約80キロの数値が表示されます。
重たいと感じるカバーの場合は、この数値が100キロ以上を示します。

と、同時にクラッチが確実に遮断されるかどうかも確認します。
これが最重要です。
クラッチ交換の際に、単体チェックを行わないと組み付け後にクラッチが切れない、という事態に陥る事があります。
そうすると、再度ミッションを降ろさないといけなくなりますので、事前にチェックする事を習慣付けています。


各部の組み付け・組み換えを行い、搭載準備を整えます。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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