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工場通信

ステージ3メンテナンスで発見できた事

車検整備と合わせてご依頼を頂きました、ステージ3メンテナンスを進行中です。
当社のオリジナル整備、ステージ3メンテナンスをご存知で無い方はステージ3詳細をご覧下さい。

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カーボンクリーニングを施工中です。
この作業だけでも、エンジンのフィーリングは大きく変化します!
車輌側燃料を使用せず、専用クリーニング液のみでエンジンをアイドリングさせる事で、燃焼室内部・ピストンリング
インテークバルブ及びエキゾーストバルブに付着しているカーボンデポジットを効果的に軟化させ、
クリーニング作業完了後の通常走行において、序所に軟化したカーボンを除去します。

直噴エンジンに関しては、このカーボンデポジットの付着が非常に多い為定期的な施工により、
良い状態を保つことが可能です。

カーボンクリーニング作業の後は、フューエルインジェクタノズルの点検&超音波洗浄を行ないます。
(エンジンによってはノズルの作業を行なえない事もあり)
今回は、このノズル点検作業の際に非常に気になる症状を発見できましたのでご報告を。

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ASNUインジェクタクリーナによる、スプレーパターンテストの風景です。
向かって右のノズルが噴射角度が直線状になっているのが確認できます。
最近では、ノズルスプレーパターンの改良が進み、出来る限り気化しやすい状態で噴射する物が多いです。
この4本の中で、理想的な噴射状態のノズルは向かって左から1&2番の物でしょうか。
3番目は、360度綺麗に広がっている様に見えますが、インテークマニホールド内壁に付着する燃料が
増える為、見た目には美しいですが良否レベルは中位です。
理想的なスプレーパターンは、マニホールド形状と、ノズルのセットアングルによっても変わってきますので
あくまでFIAT500 1.2Lにおいての話です。

最右のノズルは、直線的にバルブへ向かって噴射してしまう為、気化が上手に行なえないパターンです。
一昔前のノズルはほとんどがこの様な状態でした。

問題はここからです。
この画像をご覧下さい。
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ノズルへ供給されるテスト液の噴射圧力を上げると、突然 ピタッと 噴射を停止してしまいます。
念入りにチェックを行なう為、噴射時間やパルスを変更すると、圧力を上げずとも噴射停止をする事が分かりました。

実際の走行中にこの状態が発生すると、4気筒のうち1つのシリンダが仕事をしなくなりますので、エンジンは絶不調となります。
お客様に確認をしたところ、夏ごろにおかしな状態の事があった との事ですので問題が解決しそうで何よりです。

ノズルの単体テストが可能である、という事は潜むトラブルや不具合を早期に発見できるという事になります。
実用化されているケースはまだまだ少ないと思いますが、これも重要な整備のひとつだと考えます。

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噴射量のバラつきもなかなかのものです。
さぞかし、4番シリンダは燃料が薄かったことでしょう。

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超音波洗浄のバスタブです。
この中で、3パターンの周期による超音波洗浄を行ないます。
洗浄後は、バスタブ内のクリーニング液が黒く変色し、滞留します。
非常に微細な汚れを除去する為、洗浄直後は黒く濁った様になりますが、1時間程経過すると汚れが沈殿します。

洗浄後、もう一度噴霧パターンや、噴射量を測定しますが残念ながら噴射停止の症状の改善は成し得ませんでした。
高価なノズルですが、交換する事にします。
超音波洗浄が全ての症状を回復するわけではありませんからね。

こういった一連の作業が、壊れる前の整備 の理念に通じる物と考えています。