206RC シフトコントローラが生産終了につき品質と耐久性向上な物に手直し

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軽量フライホイールとクラッチの作業を進行中の206RCは、シフトコントローラに不具合が発生していました。RCのこの部分は前期と後期で構造が全く異なります。前期の場合は過去に製作したクイックシフターの装着が可能なのですが、後期型には装着が不可能です。しかも、致命的な消耗の仕方の為に部品交換以外に手が無い部分です。RCといえばクラッチペダルの不具合が起きる事が多く、その部分と素材が似ている為に似たような消耗を見せています。

まずは前期と後期の違い。
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向かって左側が今回の後期型 左側が前期型です。
ワイヤの取り回しも異なります。

不具合の発生したコントローラの作動を動画に収めました。

シャフト部にガタつきが発生しているため、シフタとボディが干渉しています。単体でこの様に干渉しますので、実際の装着状態においても干渉はしていたものと思われます。

樹脂製ボディに開いたシャフトを通す穴が楕円形に広がってしまっています。
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画像では分かりづらいですが、真円→楕円へと変形しています。そのため、シャフトの芯が出ずにガタガタとした動きを見せています。

部品の在庫を確認したところ、生産終了。。。との回答にへこみました。
修理が必要となります。
修理を行いながら、耐久性も上げつつ、純正品よりも高品質に。。。考えた末に、良い方法を思いつきました。
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ボール盤で、既存のホールを拡大します。

その次に、アジャスタブルリーマを用いて予定寸法まで真円を作っていきます。

予定寸法に達したら、今回のリペアの為に用意したニードルローラベアリングを内部に圧入します。
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入り口・出口の計2個のベアリングを仕込みました。
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さて、どんな感じに仕上がったでしょうか。

確実な操作性、円滑な動き、遊びの無いシャフト、品質向上作戦成功です。

おそらく今回限りのワンオフ加工ですが、当社管理のお客様ですので、部品の生産終了の一言で残念な結果に終わらせたくはありません。出来る限りの手立てを考え取り組みます。

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