ROVER MINI(クラシックミニ)はサスペンション系統のメンテナンスを行います

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継続検査・車検整備でのお預かり中のローバーミニです。
インジェクション最終モデルと言えども、サスペンション構造は1959年の当時のままです。

日常アシとして使う車輌で有れば、年に一度は必ず各部の調整やグリスアップが必要となるのが今時珍しい手の掛かる車というわけです。

特に弱い箇所は、フロントのハブベアリングやボールジョイントです。
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今回は、ハブベアリングとボールジョイントの組み替えを行います。

まずは、必要箇所を分解します。
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ハブキャリア・ブレーキディスク・ロワアーム・テンションロッドを取り外します。

その後、ベアリングキャリアから交換する部品を取り外し、トレントにて洗浄を行います。
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ミニの整備でネックになるのが、定期的なグリスアップが必要な構造のため、各部が常時グリス付着をしている点でして、作業の妨げになります。
手も汚れますし、工具も汚れます。
なので、この先の作業をスムーズにするため、まずはピカピカに洗浄を行います。

古典的なボールジョイントは、分解すると複数の調整用シムが出て来ます。
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このシムは厚みが数種類用意され、その都度適正な効き具合になる様に調整を行います。

なのですが、この作業が手間なのですよ。これまで幾度となく行っていますが、時代の移り変わりにより便利な部品がリリースされています。
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現代の車輌に用いられているのと同型式のメンテナンスフリー・ボールジョイントです。
これを使用する事で、これまで必要だったシム調整も、グリスアップも不要になります。

そして、ハブベアリングの交換です。
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ベアリングは、バラバラの無給油状態で用意されています。

ですから、組み付け前には手でグリスを詰めていく必要があります。
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ベアリングの隙間に充填するわけです。

その後、油圧プレスにて、ベアリングアウタレースを圧入します。
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そうして、ハブキャリアのコンプリートが完成となります。

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分解ついでにロワアームブッシュとテンションロッドブッシュも同時に交換します。

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耐久性もハンドリングも良くなるので、お勧めです。

Written by Hashimoto

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