147はリヤセクションの作業をスタート
錆が酷い!!


フロント廻りの作業が一段落し、続いてはリヤ廻りの作業を開始します。
作業前から若干の不安はありました。「錆が酷いな~」と。

147の作業を進める中で、錆による影響を受け易いのは構造的にリヤ側の方が大きいのです。

予想は的中しており、色々な箇所のボルト・ナットが錆により外れ難くなっていました。
こうなると作業画像を残せないのですよね。。

なんとか各部の分解を進め、部品単体の作業を進めて行きます。
先ずはブレーキパーツの洗浄を行います。
キャリパーのシリンダ部はアルミ製・ブラケット側はスチール製。異素材の組み合わせです。
冒頭画像では、2種の部品の汚れ具合は同じに見えますが、洗浄により素材感の活きた美しさを取り戻すのは間違い無くアルミパーツです。

ここまでのこびり付いた汚れですが、頑張って洗浄を行う事でここまで復活します。

ウェットブラストとアルミ素材はとても相性が良いです。
ウェットブラストの施工後にトレント洗浄を行いました。

その後に分解し、ブレーキキャリパーのオーバーホールを行います。イタリア車・フランス車によく使われているキャリパー形状です。
車種によりピストンサイズは変りますが、大抵の場合のシールキットは在庫があります。

リヤ・ハブベアリングの交換を行うのですが、シャフトにベアリングのインナーカラーが残るのはよくある話。
いきなりプレスに掛けたりはできないので、抜き取りたい箇所を加熱します。カジリが無ければ加熱による金属膨張で、上手くカラン!と外れます。

スイベルの下側に組付けられているラバーブッシュは、この機会で無ければ交換が出来ないので状態の善し悪しを問わずに交換します。
今回は、状態が悪くブッシュには亀裂が生じ、分離が始まっていました。

バックプレートを固定するボルトが、緩めている途中で折れましたので残存ボルトを抜き取り、ネジ山を修正。

再使用が可能であった側のハブベアリングは、グリスを注入します。

リヤダンパーを新調します。ビルシュタインを使うのですが、新品を仕様変更しています。減衰力を調整したオリジナルセッティングです。

外したダンパーは、左右共に完全に減衰機能を失っていました。
スコンっと縮まり、伸びてこない。。
中速以上での段差越えの際には、「ガツン」と感じていたと想像できます。

着々と作業を進め、リヤフレーム搭載段階となりました。

フロントに組付けたように、リヤ側にもリジカラをセットします。

147や156は、リヤメンバー(フレーム)がしっかりとした構造をしており、フレーム取り付け用のボルトは長いです。
つまりフレーム自体に厚みがあるという事。
ボルトをホールに通すと、穴径とボルト径の差からグラグラと傾きます。
凝結ボルトの遊びを無くすべく、カラーを組付けると効果的です。

装着イメージはこんな感じです。


ボルトの位置関係がピタッと決まり、グラグラしなくなります。

フロントに同じく、ブレーキパッドはクランツ・ジガ ディスクロータは純正相当品・ブレーキホースはグッドリッジのステンレスホースです。

後に控える4輪アライメント作業の際に、スムーズな調整が出来る様にパラレルリンクロッドの取付ボルトも清掃しておきました。
試運転が出来る状態になるまでは未だ時間が必要ですが、軸となる作業は随分と進みました。

細かな調整や、補正も交えて実働可能な状態に整えていきます。
Written by Hashimoto

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