クリオの足廻りトラブルを探求
結果は 伸び側の減衰不良


点検整備としてお預かりをさせて頂いている シャーシカップ のクリオ3RSです。
点検整備の方針を確定するため、事前の点検の際に気になった事があります。
試運転を行うと、特定の路面入力に対して「あれ?いまの動きは何?」と感じる事がありました。

確認する為にサスペンションテストを行います。

すると、左フロントのサスペンション性能が著しく性能低下している事が判明しました。

これだけのあからさまな左右差があるにも関わらず、テストランではそこまで大きく違和感を露わにしないのが、足廻りの故障診断をするうえで難しい案件です。

片側が正常で有る場合、そこまでの乱れは伝わってこないのです。
状況が変り、右側も同様の状態になった途端に挙動の乱れと、落着きの無さ・乗り心地の悪さが顕著に現れます。

だからこそBOSCH SDL テストを行う事はとても重要であり、的確な答えを導く為の最短ルートであると思います。

上記の様な結果が明らかになり、ダンパー機能の低下が判明。
純正のダンパーで交換するのも良いのですが、せっかく交換するならばより良いものを装着したいですよね。
もはや定番「ハイスペク・スタンダード・ダンパー」をチョイスし、アップグレードも実現させます。

シャーシスポールとカップでは、サスペンションのセッティングが異なります。
カップは、車高も少し低く、ダンパーとスプリングの長さと硬さが異なります。
ハイスペック・スタンダード・ダンパーは、それに合わせて長さとセッティングを変更しています。
カップのダンパーは短いのですね。
純正ダンパーの識別として、カラーラベルが貼り付けられていますが、ゴールドラベルはカップの証。

今回の車輛は最終期の個体ですので、アッパーマウントの形状が三角形です。

ストラットトップのボルトは錆が酷い状態になっていました。
このままでは絶対に緩める事は不可能。
例え少し緩んだとしても、途中で固着するのは目に見えています。

そんな時は、スポットブラストで錆を除去!

これで安心して緩める事が出来ます。

単体になった、ダメージを負った左フロントのダンパーは伸び側の機能が損なわれていました。


マウントを新調し、組み付けを行います。


リヤスプリングは、スプリングに巻き付けられている保護材が擦り切れてボロボロになっている事が多いので、純正とは別の保護材をサイズ合わせを行って巻き付けます。


良い感じになるのは間違いなく、仕上がりが楽しみです。
Written by Hashimoto

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