F4エンジントラブルの続き
ルーテシア3RS エンジントラブル

多種の不具合を発しているルーテシア3RSの続きです。
メカニカルトラブルを疑い、カムシャフトを点検するつもりでカムカバーを取り外しました。
カムカバーの内側は、カムホルダーとなる構造です。
真っ先に視界に飛び込んできたのが、アルミパーツに受けた損傷。ダメージです。
「あっ!思った以上に良く無いかも?」そんな不安がよぎります。

恐る恐る、カムシャフトの確認すると。
インテークカム・中央付近の様子がおかしいです。

F4エンジンの動弁駆動方式は以下の流れで駆動します。
カム山→ロッカーアーム→油圧リフター→バルブ

カムが直接操作するのは、ロッカーアームです。
そのロッカーアームがカムラインから脱落していました。
1つの燃焼室につき、4つのバルブが備わる為、吸気バルブの一つが作動せずともエンジンは始動する。
転けたロッカーアームはカムの強い駆動力に負けながら、挟まり・食い込んでいます。
その為、回転するカムに削られ金属粉が各部に回っています。
カムの摺動部はその影響で傷だらけになっており、ヘッド側のアルミ素材は摩耗していました。


今回の抱えていたトラブルが一気に紐解けます。
こちらはUSEDカムシャフト。
ジャーナル部は正常な状態。

こちらは取り外した、ダメージを負ったカムシャフト。

強烈な段付き摩耗を確認出来ます。
ベルト周囲のオイル漏れは、この摩耗が原因でした。
油圧を保持出来なくなり、オイルは外へ漏れる。VVTカムプーリーは油圧が足りない為、作動出来ない。
それにより、出力不足・オイル漏れ・カム位置が正しくないためのECUへのエラー入力・転けたロッカーアームによりエンジン異音。
治せない訳では無いが、ここまでくればエンジンの換装がコスパは優れます。
さて、困りました。
年末のこの時期、様々なご相談を頂いています。
メカニカルトラブル・電子制御トラブル。。重大な故障が多い2025年の年の瀬です。
ひとつひとつ向き合っていきます。
今年も残す所半月をきりました!気張って行きましょう!
Written by Hashimoto













