クーラント濃度の適正管理は大切です


点検作業でお預かりしているアルファロメオジュリエッタです。
各部の点検を進める中で気になったのが、現在入っているクーラントの濃度です。

スポイトでクーラントを吸い取り、濃度測定用のツールで判断をすると。

ETHYLEN(エチレン)レンジでの判断となります。
-10°を下回ったあたりに赤線がぼやけています。
不凍温度は-9°位と判断できます。

この状態をどう判断するかですよね。
まず、不凍温度管理は当社での標準仕様は-20~-25°辺りを目安・目標値にしています。
よほどのことが無い限りは、その温度で問題はありません。(この地域では)

クーラントは市場にある商品が色々です。
濃い原液を水で希釈するものもあれば、希釈済みでそのまま入れる物もあります。
分かりやすく言うと「めんつゆ」です。ストレートタイプと希釈タイプですね。
ざるそばを食す際に、つゆの濃さを濃くしすぎると、美味いそばも美味しくは食べられません。
逆に薄くても、味気なくて物足りなくなります。

例えが食品では、適正ではありませんがクーラント濃度は結局車にとっての最適があります。
車にとっての最適は主に使用環境により変わってきます。

寒冷地仕様であれば、不凍温度を上げる必要が出てきますし、そうで無ければそこまでの濃さは不要です。
クーラントは、エンジン熱を効率よく吸収・発散する機能を持ちますが、濃すぎる(不凍温度を強めすぎる)とその効果は下降します。
逆に、薄くすると不凍温度も熱吸収性能も低下しますし、キャビテーション(泡立ち)が発生する為にエンジン内部冷却ラインに泡立ちが発生し、冷却性能が低下(悪化)します。

何事も最適がベストという事です。

今回の車両についていえば、なぜこの様になったかは大体の推測がつきます。
クーラントを過去に交換した際に、希釈配合を間違えたことがひとつ。
その経歴が無ければ、減った際に真水を補充し続けた事が考えられます。

クーラントは入っていればオッケーというわけではないという事がご理解頂けましたでしょうか。

Written by Hashimoto

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