クラシックミニの車検整備
年間走行は少なくとも部品は悪くなる!


私が入社するもっと前から、当社で見させて頂いているクラシックミニ(ミニ1000)は車検整備の為にお預かりをさせて頂いています。
この個体は、オリジナルで10インチホイールが備わり、センターメータも標準装着されています。
ブレーキシステムは4輪全てがドラムブレーキとなる為、車検の際にはちょいと手間が掛かります。

ディスクブレーキであれば不要な作業ですが、ドラムを開けてホイールシリンダの状態チェックを行う必要があります。

スチール製のホイールシリンダが当たり前な時代ですから、シリンダ内部には錆が発生するわけでして、それは年間走行距離が少なくとも付いて回る問題です。

表面上はコンディションの良さそうなホイールシリンダであっても、内部を確認すると錆が出ています。


これはまだ状態が良い方です。酷くなると、錆により虫食いも生じます。

内部のラバーシール交換も、施工が可能ですが最近はアッセンブリで交換する事が多いです。
新品のホイールシリンダをそのまま組付けるのでは無く、一度ピストンを抜き取り、内部清掃とグリス交換・追加を行って組付けます。


ラバーシールにグリスを塗れば良いのですが、スチール素材の防錆効果を狙って少し余分目にグリスを塗布します。

フロントホイールシリンダは、片側に2個備わります。
それらを結ぶ、油圧の配管はこの頃の車らしく、ねじ部にダメージを受けていました。
ネジ山修復ではリカバリーが出来そうに無かったので、新規作成し交換します。

圧力配管ですので、フレアーナットと呼ばれる部品が採用されています。
先端の部分のそろばん玉形状を作成し、元の形状に合わせてパイプを曲げて仕上げます。

この手の作業の需要はめっきり減りました。
ですが、いざと言う時に対応可能な材料と工具は遙か昔より常備しています。


足廻りのブッシュも、傷みやすいので定期的な交換は必要。

一連の組み替えを行った後、ドライブシャフトブーツの内側にピンホールが空いていることに気付き。。テンションが下りました。
プランを決定する為の点検時にはグリス飛びは無かったのですが、直近のどこかのタイミングで穴が空いたのでしょう。。
仕切り直して取り組みます。
Written by Hashimoto

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