プジョー208XYは本来の動力性能を取り戻すべく各部のメンテナンス


少し前に初診点検をご依頼頂いた208XYは、その後のお見積り~打ち合わせを経て今回のお預かり・メンテナンスのご依頼となりました。
走行距離こそは少ないものの、年数経過による各部の疲労感が表に出始めた頃。そんな印象の208でした。
メンテナンスを行う車両は、疲れ切った車・疲れが出始めた車・はたまた対照的にバリバリの新車 と様々なコンディションの車を見させて頂いています。
どのコンディションであっても、こちら側が施した事に対して車側は応えてくれます。

大切なのは、事前にその車の事をどれだけ知れるか・把握できるか。だと考えます。

お客様が気にされていることを言葉で伺い、その情報を基に試運転を行います。情報を共有し、改善点を導き出します。
事前情報が豊富にあればある程、整備を進めながらの改善効果を体感し易く、それらは私たちにとっての自信に繋がってきます。
自信を持ってお返し出来る車は、お客様にとっても感じ取っていただける事が多く、それが結果的に双方の満足感として結果を残せると考えます。

今回の208XYは、元々のコンディションは良く、サラッとした気持ちで試運転を行うと「普通に良い車」で納得してしまいそうになる状態でした。
神経をいたる個所に向けて試運転を行う事で見えてきたのは、フロントサスペンションから時折伝わる違和感です。
平坦な道を走っているときは気になりませんが、フロント荷重が抜けた瞬間や、コーナリングの途中に「かかとが浮く」感覚が伝わってきます。

原因は、フロントサスペンションのアッパーマウントにありました。


サンドイッチ式のフローティングマウントですので、微細な劣化が初期の不具合症状として現れやすいです。
マウント本体は若干の潰れ具合と、中心部のひび割れが生じている程度でした。気になったのは、マウント上面に多量に塗られたグリスです。おそらく音の改善を目的として、何らかのタイミングで施されたのではないかと思います。
こいういう処置は、根本的な解決にはならず、時間が経つと別のいやらしさを現す可能性があるのであまり好きではありません。

新たなマウントに組み換え、ストラットのベアリングを新調し組み付けを行います。

さて、どんな印象に戻るのかが楽しみです。
4輪トータルアライメントも行いますので、そちらの結果も気になる点です。
事前の診断において、リヤ側のサイドスリップ値が大きい事が気になっていました。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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