ミスファイア症状の探究中
FIAT500 ABA-31212


4気筒 1200CC 自然吸気エンジン 搭載のフィアット500は、滑らかな吹き上がりを失い4気筒でありながら ツインエアーの様な振動を伴う症状に悩まされています。
原因特定の為に、様々なテストの施工・診断を行い手掛かりを探ります。

エラーの入力内容としては、複数のミスファイア・2番シリンダのミスファイアです。
点火系統の基本部位のチェックと合わせて、確認するのが各シリンダの燃焼状態・点火状態のモニタリング。
モニタリングとして参考になるのが、テスタより得られる実測値の機能としてノックセンサからの情報です。

ギザギザのグラフは、ノックセンサの信号を表示したもの。
2番シリンダには突き出た反応が見られるとともに、3番シリンダは平均的に高い数値を検出しています。
1&4 2&3 この組み合わせで同時点火を行う制御ですから、2番にエラーが入るものの、3番にも何らかの影響が及んでいそうです。

問題の起きる2番シリンダの点火信号を1次側波形として直接モニタリングしてみます。

アイドリング中にもたびたび起きるミスファイア(失火)の症状。
失火の瞬間を抑えたグラフがこちら。

失火の状況をメモリーし、そのグラフに正常な他のシリンダの点火波形を重ねると分かりやすいです。

点火系統の部品単体について、異常が無く燃料噴射装置を調べ進めます。

↑↓36ms 1500rpm. での噴霧テスト。

↑は同一条件の噴射パターンから、燃料圧力を上昇した際のもの。
左から1・2・3・4の羅列。2と4に噴射途切れが生じています。

それぞれの噴射量を測定。
噴射量に大差は無く、ノズルの状態は正常であると言えます。


不具合発生時の排気ガスの数値を測定。
ここも数値的に大きな異常は見られず。
現在、原因として絞るのは エンジンECU内の点火司令部のイグナイター・トランジスタです。
マルチ点火司令を送る為、2番シリンダの司令部に何かしらの異常が生じている可能性が高く、専門的な修理が必要となる為
その分野に特化した先へECUの修理相談を行う流れとなりました。
引き続き作業を進めます。
Written by Hashimoto

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